books: 2007年2月アーカイブ

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4336047367?ie=UTF8&tag=hotchpotch-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4336047367
孤独な少年の元に愛読書の登場人物が訪れてくる「デス博士の島その他の物語(The Island of Doctor Death and Other Stories)」、木星の白斑上空に浮かぶ療養島に隠された謎と非情な出来事を描いた「アイランド博士の死(The Death of Dr. Island)」、ディケンズの小説をモチーフに不死の世界での死を描いた「死の島の博士(The Doctor of Death Island)」の3部作の中で、個人的に一番面白くて、かつ魅力的だったのは、たとえ細部まで見通せたとしても決して触れられない(=交わらない)はずの自分(=読者)と本それぞれの「世界」をいとも簡単に融合させてしまった表題作「デス博士の島その他の物語」。
きみは本を取り上げて、ページをぱらぱらとめくる。けれども読みはしない。「この本、もうあと読みたくないよ。博士はきっと最後に死んでしまうんだもん」
デス博士は微笑する。「だけど、また本を最初から読みはじめれば、みんな帰ってくるんだよ。きみだってそうなんだ。まだ小さいから理解できないかもしれないが、きみだって同じなんだよ」
この最後のくだりは何度読み返しても素晴らしい。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4152087536?ie=UTF8&tag=hotchpotch-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4152087536
カルネアデスの船板:
船が難破して海に投げ出されたが、あなたは偶然みつけた1枚の船板につかまることで難を逃れた。そこにもう一人海に投げ出された人間が現れた。二人がつかまれば船板は沈んでしまうだろう。あなたは自分だけで船板を使うことに決め、見殺しにした相手は溺れ死んだ。これは殺人だろうか。
軌道上の宇宙ステーションで発生した事故によりステーションの一部ごと宇宙へ投げ出された7名+1匹。後半に進むほど物語の重心がヒューマンファクターに偏ってくる為、せっかく前半で強調されていた宇宙の無慈悲さが薄れてしまったようにみえて勿体無い気もしたけど、空気や重力、軌道…と地上とは異なる環境で繰り広げられる密室劇は十分SFしていて面白かったです。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/1932563822?ie=UTF8&tag=hotchpotch-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=1932563822
Mike Trimのデザイン画を中心に写真も交えながらサンダーバード、Joe 90、UFOなどの各種メカを紹介した画集。眼福眼福。

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