小川一水「天涯の砦」早川書房

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カルネアデスの船板:
船が難破して海に投げ出されたが、あなたは偶然みつけた1枚の船板につかまることで難を逃れた。そこにもう一人海に投げ出された人間が現れた。二人がつかまれば船板は沈んでしまうだろう。あなたは自分だけで船板を使うことに決め、見殺しにした相手は溺れ死んだ。これは殺人だろうか。
軌道上の宇宙ステーションで発生した事故によりステーションの一部ごと宇宙へ投げ出された7名+1匹。後半に進むほど物語の重心がヒューマンファクターに偏ってくる為、せっかく前半で強調されていた宇宙の無慈悲さが薄れてしまったようにみえて勿体無い気もしたけど、空気や重力、軌道…と地上とは異なる環境で繰り広げられる密室劇は十分SFしていて面白かったです。

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このページは、hibikiが2007年2月15日 16:14に書いたブログ記事です。

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